1.口述試験の内容
ここでは、2次試験の筆記試験合格後に実施される口述試験の対策に関して、内容や対策に関して説明したいと思います。
■口述試験の実施時期
2次試験の筆記試験を合格した受験生が、最後に受験する試験が口述試験になります。例年、12月の筆記試験の合格発表から2週間後の日曜日に実施されます。
合格発表は年明けになりますので、口述試験が上手くできなかった場合には、もやもやした正月を過ごすことになります。
■試験内容
試験時間は約10分で、二人の面接官が交互に質問してきます。2次筆記試験の2つの事例の中から、各2問・合計で4問程度の質問を問われますので、その質問に回答していきます。
1問の回答あたり2分を想定しており、2分より短い時間で回答してしまうと、質問数が増えてしまい、苦しいピッチングを強いられることになります。
■口述試験の難易度
気になる難易度ですが、合格率はほぼ100%ですので、ご安心ください。中小企業診断協会のホームページによると、最近の合格率は以下の通りになります。
平成24年:100%(1,220/1,220)
平成25年:99.5%(910/915)
平成26年:99.6%(1,185/1,190)
平成27年:100%(944/944)
口述試験の不合格者には欠席者も含まれますので、実質的な合格率は100%と考えても問題ないでしょう。
中小企業診断士になるための知識・スキル面では1次試験と2次試験で確認済で、口述試験では、中小企業診断士としての人格や人間性に問題がないかを確認されているのだと思います。ですので、よほど問題がない限りは、合格する試験なのです。
2.口述試験対策
■では、どうすれば口述試験に落ちるか?
では、どうすれば口述試験に落ちるのか考えてみましたが、以下の内容くらいしかないと思います。
- 受験日や受験会場を間違たり、遅刻する→人によって集合時間が違うので注意
- 口述試験中に、黙ってしまう
- 面接官と喧嘩してしまう
- 試験中の態度が悪く、人間性に問題ありと判断される
ですので、遅刻せずに試験会場に到着し、謙虚な姿勢で面接官と会話できれば、合格は間違いなしの試験です。
■絶対に行いたい受験対策
絶対に合格すると分かっていても、最後に後悔しないために、最低限の受験対策は行っておきたいところです。以下に、最低限行っておきたい受験対策を記載しておきます。
- 事例企業の状況を頭に叩き込む(環境分析・課題・解決策・進むべき方向性等)
- 受験校の模擬面接を受ける
- 想定問答の作成や、関連用語を確認する
一点目の事例企業の状況を頭に叩き込むには、LECが提供している、事例整理シートを活用することがおススメです。私は「LEC」のホームページから自分でPowerPointで事例整理シートを作成していました。
また、LECから事例整理シートを活用した2次試験対策問題集もありますので、紹介しておきます。
■口述試験での時間稼ぎ方
口述試験では、1問に対して約2分で回答しないと時間が余り、追加で質問されてしまいます。ですので、時間稼ぎの方法を予め用意しておくことをおススメします。
私が口述試験対策セミナーで、受験生にアドバイスしているのは次の2点です。
- 面接官の質問に対してオウム返しする
- 質問に回答する前に、質問に関連する一般的な知識に関して説明する
そうすることで、時間を稼ぎながら、回答内容の整理をできますので、是非とも本番でもご活用ください。
■分からない質問をされた場合の対処法
分からない質問が出ることも想定されます。むしろ、4問中半数以上はストレートに回答が思い浮かばない質問です。
そんな時の対処法ですが、
- まずは、時間を稼ぎながら回答を思い浮かぶのを待つ
- それでもダメな場合は、分かる範囲の回答を答え、面接官のヒントを待つ
のが有効になります。とりわけ、面接官のヒントを待つ姿勢は重要です。口述試験は落とすための試験ではありませんので、面接官は全ての受験生を合格させたいはずです。
ですので、分かる範囲での回答を行い、粘り強く面接官との距離感を近づけていけば、自然と面接官の方からヒントを与えてくれます(私も面接官のヒントに助けて頂きました)。
それを、ヒントを待たずに、
- 「すいません、分かりません。」と、
終わらせてしまうのとでは、印象はあまりにも違います。ですので、分からない質問が来ても粘り強く対応してください。
■口述試験の身だしなみ
口述試験は診断士としての人間性に問題がないかを念のため確認する試験ですので、最低限の身だしなみは心掛けておきたいところです。
以下に、身だしなみのチェックポイントを挙げておきます。
- 男性は、スーツを着用しましょう
- 男性は、髭を綺麗にそりましょう
- 茶髪は黒染めしましょう
- 寝ぐせは直しましょう
なお、口述試験はほぼ100%の人がスーツを着用しています。私服でもダメな訳ではありませんが、試験会場で自分だけスーツを着用していないことを不安に感じるじるくらいなら、スーツを着用していくことをおススメします。