得点源科目の作り方
ここでは、得点源科目を本試験で80点を狙える科目としています。この得点源科目を2科目作ることを目標に頑張りたいところです。
全科目合格を目指す場合には7科目合計で420点を獲得すれば良いため、2科目の得点源科目ができれば、残りの5科目で420-80×2=260点取得、1科目あたり52点(だけ)を取得すれば良いからです。
苦手科目でも52点を確保できれば良いのです、できそうになりませんか?
次に、得点源科目の考え方です。得点源科目には、出題の幅が狭いことや、繰り返し同じ論点が出題される等、事前の対策が有効な科目にしましょう。
具体的には、
- 「中小企業経営・中小企業政策」
- 「財務・会計」
が得点源科目になりやすいと考えています。
一方で、「経営情報システム」、「経営法務」は出題の幅が広すぎて、出たとこ勝負的な科目になりますので、得点源科目にはなり得ません。
おススメの得点源科目である、「中小企業経営・中小企業政策」と「財務・会計」の2科目に関して、簡単に解説しておきます。
■「中小企業経営・中小企業政策」
多くの受験生が苦手とするらしいのですが、過去問を年度通して眺めてみると、毎年のように同じ問題が出題されていることが分かります。
例えば、中小企業者の定義・範囲は毎年少なくとも1題は出題されています。
統計情報等の中小企業白書に関連する問題も、図表やグラフの大まかな特徴や一番数値大きい項目等を押さえておくだけで、本試験では十分に対応可能です。
私の場合は、TACの「スピードテキスト」にて「中小企業白書」の概要は頭に叩き込み、詳細な部分を辞書的に中小企業白書を確認していく学習方法でした。
「中小企業白書」を暗記するほど読み込んだみたいな話しも聞きますが、私の様な学習方法でも、頻出論点中心に効率的に学習することで、80点を確保することができました。
■「財務・会計」
財務・会計も多くの受験生が苦手とする科目らしいのですが、問われている範囲は広くないため、仕訳等の会計処理からファイナンス論点までしっかりと押さえておけば、十分に得意源科目とすることは可能です。
ここで注意したいのは、得意科目と得点源科目は必ずしも一致するものではないということです。たとえ得意科目であっても、出題の幅が広すぎて高得点できない科目は得点源科目にはなりえません。
私にとっては企業経営理論がそうで、学習内容も楽しくて得意科目の意識がありましたが、出題範囲が広く得点源科目にはなり得ませんでした。
アウトプット重視の効率的学習法
私の場合、1次試験の学習を開始したのは4月と本試験まで4か月と時間がなかったため、インプットを最低限としアウトプットを重視しなければ本試験に間に合いませんでした。
以下に私が実践した、インプットとアウトプットを紹介します。
■インプット学習の方法
まずは、インプットです。インプット用のテキストとしてはTACのスピードテキストが有名ですが、ボリュームが多すぎて間に合いそうにありませんでした。
最終的には、同友館の「ニュー・クイックマスター」シリーズを買い揃えました。この本の良い点は、論点の網羅性や緻密性より学習効率を重視しており、合格に最低限必要な論点に絞りこまれている点です。
また、テキストに余白スペースが多く、本書で不足している補足説明を自分で書き足せる点も使い易かったです。
■アウトプット学習の方法
次に、アウトプットです。アウトプット用の問題集も「TACのスピード問題集」が有名です。
ただし、問題が比較的易しくてインプット知識の定着度合いの確認にしか使えず、別途過去問を解かなければならなったため、効率的ではないと判断しました。
最終的には、同友館の「過去問完全マスター」シリーズを買い揃えました。
この本の良い点は、過去10年分の過去問を論点別にまとめられているため、出題傾向や頻出論点の把握が容易であり、論点別のアウトプット学習を実際の過去問で行える点です。
過去問を通じてアウトプット学習するため、別途過去問対策が不要になります。過去問集は他にも多数ありますが、他の過去問集は年度別にまとめられており、論点別にまとめられているのは本書のみだと思います。
時間に余裕のある方の学習法(王道の学習法)
これまでアウトプット重視の効率的学習法を伝えてきましたが、私も望んでこの様な学習方法を採用した訳ではありません。
勉強開始時期が遅すぎて、単純に時間がなかっただけです。本試験まで時間的余裕がある方には、正確なインプット、インプット知識の定着確認、過去問対策を行う王道の勉強法をおススメします。
具体的には、勉強開始期から6月位までは、
- 「TACスピードテキスト」でインプット学習を行い、
- 「TACスピード問題集」でインプットの定着を確実にします。
その後、直前期以降は
- 「TACの第1次試験過去問題集」でアウトプット学習(過去問対策)
をこなしていくことが王道かと思います。