事例Ⅳは、事例Ⅰ~Ⅲとは異なる対策が必要になりますので、個別に対策を記載しておきます。
「意思決定会計講義ノート」は必須
元試験委員の大塚宗春氏の著書である「意思決定会計講義ノート」は絶対に購入して、学習してほしい一冊です。
公認会計士試験向けの書籍でもあるため、敬遠されがちなのか、財務事例に得意な受験生しか学習していない印象があります。
ただし、この書籍で記載されている内容が、そのまま出題されることも多々あります。
最近だと、平成25年の品質原価計算、平成27年の回収期間法によるプロジェクト評価がそのまま出題されています。
いずれも難問でしたので、本書で学習していれば合格に近づいていたのは間違いありません。私も平成27年の問題は「意思決定会計講義ノート」で学習していたので、直ぐに解答を閃くことができました。
近い内に、この書籍で記載されている固定費調整の論点が、2次試験で出題されるのではないかと予想しています。
テクニック編
■記述問題は結論だけでも記載する
受験校講師として模試や答練の採点をするにあたって残念なのが、空欄の解答です。解答だと部分点すら付けようがありませんので、「根拠」に関する記述はなくても「結論」だけでも類推で記載するようにしてください。
仮に、結論だけでも正解していれば、部分点を確保できます。ここで、ポイントとなるのが、基本的には事例問題はハッピーエンドで終わる様に作成されているという点です。
例えば、設備投資や新規事業に進出すると、NPVがプラスになったり、キャッシュフローが改善するストーリが殆どな訳です。
ですので、意思決定に関する記述問題で計算できてなくても、「設備投資によりNPVがプラスになるため、設備投資すべき」という様な前向きな解答を迷わず記載しましょう。
■単位と小数点は要注意
これも、受験生の解答を採点していて残念だと思う点です。単位と小数点の間違いは、いくら数値があっていたとしても、0点になってしまいます。
ですので、事例Ⅳの設問文では、まず最初に単位と小数点を確認する様にしましょう。私は、単位を確認したら、その都度解答欄に単位だけ先に記載する様にしていました。