中小企業診断士

中小企業診断士:2次試験の概要、合格率・難易度

投稿日:2017-01-04 更新日:

試験概要

ここでは2次試験対策の概要に関して、簡単に解説しておきたいと思います。

■実施時期

まずは、試験の実施日ですが、1次試験終了した日から11週間後の日曜日(例年10月中下旬)に実施されます。

1次試験から11週間しか期間がない点が、2次試験対策上の重要なポイントになります。

つまり、1次試験と2次試験を同じ年にストレート合格を目指す受験生にとっては、1次試験終了後に2次試験対策を行っては手遅れになります。

■試験科目

2次試験(筆記試験)は、

  • 組織・人事の事例(事例Ⅰ)
  • マーケティング・流通の事例(事例Ⅱ)
  • 生産・技術の事例(事例Ⅲ)
  • 財務・会計の事例(事例Ⅳ)

の4種類の実務事例を各80分で行われます。

また、試験時間は9時50分から17時10分と、一日で全ての事例を解答することになります。

後に解説しますが、80分間のタイムマネジメントや、1日で4事例をこなす体力勝負になる点に関しても対策が必要になります。

合格率と難易度

■合格率

中小企業診断協会のホームページによると、平成24年から28年までの5年間の合格率の推移は以下の通りです。

平成24年:25.0%(1,220/4,878)
平成25年:18.5%(910/4,907)
平成26年:24.3%(1,185/4,885)
平成27年:19.1%(944/4,941)
平成28年:19.2%(842/4394)

御覧の通り、受験者数は減少傾向にあるものの合格率は一貫して20%前後で推移しており、合格するのは難しいと感がるのが妥当です。

同じ合格率20%の1次試験を突破してきた猛者の中で、5人に1人しか合格しない訳です。

仮に1次試験を100人受験したとすると、1次試験を突破できるのは20人で、2次試験を突破できるのは4人しかいないことになります。

■合格率に表れない難しさ

2次試験は事例企業に対する経営指導や改善提案を中小企業診断士の立場として助言する能力を論述試験で試す試験になります。

言うまでもなく、企業経営においては唯一の正解は存在しないため、2次試験においても唯一の正解は存在しない点が2次試験を難しくさせている要因の一つになります。

また、さらにやっかいなのは、試験機関である中小企業診断協会から模範解答が公表されない点です。

そのため、受験予備校においても解答に関する見解が大きく異なり、何が合格に近づくか分からない中、受験生は対策を講じなければなりません。

受験予備校でも模範解答を作成するのですが、予備校の模範解答は予備校の威信をかけて大勢の講師が時間をかけて作成します。

ですので、受験生が80分間という短い時間の中で作成する答案とは程遠い完成度の高い答案になり、受験生が自分の答案を見比べても意味のないものになります。(私も講師として模範解答の作成に関与しましたが、相当な労力をかけけました)

そこで、合格者の等身大の合格答案を公開した「ふぞろいな合格答案」が受験対策では非常に役にたつことになるのです。

「ふぞろいな合格答案」は救世主?

■「ふぞろいな合格答案」とは?

ふぞろいが合格答案」とは、合格者が実際に書いた答案(再現答案)を集めた書籍のことで、二次試験向け参考書で最も支持されており、2次試験のバイブル的な存在です。

この、「ふぞろいな合格答案」シリーズですが、例年1次試験が終了した頃に最新版が書店に並びます。

そのため、2次試験に臨む受験生が一斉に買い揃えるため、書店では品薄状態が続きますので、過去分に関しては早めに買い揃えることをおススメします。

私も1年目の2次試験では独学で臨みましたが、受験校によって解答にバラツキがある中、過去問の解答替わりにしたのが「ふぞろいな合格答案」シリーズでした。

過去問対策として7~8年分の過去問を繰り返し解いていましたので、過去分も含めて買い揃えました。

■「ふぞろいな合格答案」のラインナップ

ちなみにですが、「ふぞろいな合格答案」の最新版は直近1年分の本試験しか収録されていません。例えば、

という感じです。

  

一方で、過去分に関しては複数年度分を1冊にまとめる形で再編集され販売されています。

ただし、ここで注意しなくてはいけないのは、過去分に関しては、実際に合格者の合格答案を公表した「ふぞろいな再現答案」と、多数の合格答案(不合格答案)から合格に必要なノウハウを抽出した「ふぞろいな答案分析」が個別に販売されている点です。

各書籍にて収録されている内容を以下に纏めておきますので、購入の際には参考にして下さい。

ふぞろいな合格答案 エピソード9:平成27年度分の答案分析と再現答案

ふぞろいな答案分析3:平成26年度と平成27年度分の答案分析

ふぞろいな再現答案3:平成26年度と平成27年度分の再現答案

ふぞろいな答案分析2:平成25年度・平成24年度・平成23年度分の答案分析

ふぞろいな再現答案2:平成25年度・平成24年度・平成23年度分の再現答案

ふぞろいな答案分析:平成22年度・平成21年度・平成20年度分の答案分析

ふぞろいな再現答案:平成22年度・平成21年度・平成20年度分の再現答案

レクタングル大

レクタングル大

-中小企業診断士

執筆者:

関連記事

中小企業診断士・1次試験対策:2次試験を見据えた対策

2次試験を見据えた戦略的対策 診断士試験は2次試験の合格が最終目標であり、2次試験の合格を見据えた1次試験対策が合格への近道になります。 具体的には、2次試験の事例科目に直結する 「企業経営理論」 「 …

中小企業診断士・2次試験対策:予備校講師になって気づいたこと

ここでは、2次試験対策に関して、私が受験生時代に信じていた2次試験対策の原則と、受験校講師になってから気づいた2次試験突破に向けた大原則を解説します。 ただし、大原則と言っても、あくまでも受験校講師と …

中小企業診断士・2次試験:口述試験の内容・難易度と対策

1.口述試験の内容 ここでは、2次試験の筆記試験合格後に実施される口述試験の対策に関して、内容や対策に関して説明したいと思います。 ■口述試験の実施時期 2次試験の筆記試験を合格した受験生が、最後に受 …

中小企業診断士・2次試験対策:予備校講師が教えるテクニック

ここでは、2次試験突破の大原則(詳しくは、「2次試験対策:大原則」を参照)である「出題者(=採点者)の立場に立った解答を書く」ために留意すべき点(各論)を、受験校講師の経験も踏まえて、対応が容易な順に …

中小企業診断士・1次試験対策:短期合格を目指す効率的学習法

得点源科目の作り方 ここでは、得点源科目を本試験で80点を狙える科目としています。この得点源科目を2科目作ることを目標に頑張りたいところです。 全科目合格を目指す場合には7科目合計で420点を獲得すれ …