不動産投資ノウハウ

事故物件(孤独死物件)の再生方法

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私は過去2年間の内に、入居者の孤独死を2度も体験しました。今回は、事故物件の再生方法、再生にかかった金額に関して説明したいと思います。

二度の孤独死

所有物件で発生した2度の孤独死ですが、いずれも高齢者で発見時には死後1ヶ月以上が経過していました。

一度目の孤独死

2015年の2月頃から連絡が取れなったため、不動産屋立ち合いのもと警察に侵入してもらった結果、ゴミ屋敷の中で入居者がお亡くなりなっていました。
死後2か月程度経過していましたが、寒い時期になくなっていたこともあり、腐敗が進んでいなかったのが幸いでした。また、部屋がゴミ屋敷状態になっており、ゴミの上で亡くなっていたこともあり、床に体液等が染み込むことはありませんでした。

二度目の孤独死

2016年の1月頃、二度目の更新手続きの際に連絡がとれなくなったのが孤独死が発覚したきっかけでした。一度目の孤独死とは異なり、床の上で亡くなっていたので体液が染み込んでおり、再生には手間がかかることになりました。

事故物件の再生方法

事故物件の再生に関して、以下の手順で行いました。

1.親族等への連絡、入居者の残置物撤去
2.現地確認(消臭剤の散布、害虫駆除も実施)
3.リフォームの実施(酷い場合はリフォーム前に特殊清掃も実施)
4.故障している家電等の改修、入居者募集

以下に私の体験談を説明したいと思います。

入居者の残置物の撤去

入居者発見後に遺体が運び出された後の対応は、基本的には大家が全てしなけらばなりません。そこで、まず始めに問題になるのが、入居者の残置物の撤去です。私の場合には、家賃保証会社の保証契約の範囲に残置物の撤去費用も含まれていたため、自分では何もする必要がありませんでした。実際には、単純に費用の負担だけではなく、遺品回収業者の手配も含めて保証会社が行ってくれました。

仮に、保証会社の保証範囲に残置物の撤去費用が含まれていなければ、全て自分でやる必要があったため、保証会社に加入していて助かりました。保証会社による残置物の撤去は、家賃保証以上に利用価値が高く、孤独死対応で2回・入居者が留置所に拘束された際に1回利用しており、自分で対応することはありませんでした。

ちなみにですが、保証会社によって残置物撤去費用の負担に差があるかと思い調べてみました。主だった保証会社である全保連・日本賃貸保証・日本セーフティー・Casa・リクルートフォレントインシュア等は全て保証範囲に含まれていました。

本件からの学び、

  • 残置物の撤去リスクを回避するためにも、家賃保証会社の加入は必須である
  • 念のため、保証範囲に、残置物撤去費用の負担が含まれるかを確認すること




現地確認

事故物件再生で一番辛いのが現地確認です。これまで二度の現場を確認しましたが、いずれも凄惨な状態でした。万が一事故物件の現場を確認する機会がある場合には、最悪のケースを想像して現地に出向きましょう

あと、効果がどれだけあるかは不明ですが、現地確認の際には大量の消臭剤を購入して現場に散布する様にしましょう。リフォームで外観は再生できても、臭いが染み付いてしまえば、その後の賃貸は困難になります。

また、事故現場は必ずと言っても良いほど、ハエ等の虫が大量に発生していますので、バルサン等での害虫駆除も現地確認時に必ず実施しましょう。

孤独死物件の原状回復

事故物件の原状回復は、自己物件再生の一番のポイントになります。
多くの方は事故物件の再生に慣れていないため、どこまで費用をかけて原状回復すれば良いか戸惑うところだと思います。実際に私もそうでしたが、2度の再生の経験を踏まえて言えることは、多大な費用をかけずとも自己物件は再生可能だと言うことです。

特殊清掃会社のホームページを参照すると、体液・汚物除去の特殊清掃や、高濃度オゾン脱臭装置を用いた脱臭・消毒・除菌、害虫駆除等の必要性が謳われています。仮に、これらの処置を施した場合には、軽く数十万円は超えてきます。さらには、リフォーム代金も考慮すると、1年間の家賃が吹っ飛ぶくらいの費用になります。

仮に、体液や汚物がクッションフロアに染みていたとしても、クッションフロアを張り替えれば問題ないため、体液や汚物除去の特殊清掃は必須ではないと考えています。また、高濃度オゾン脱臭装置を用いた脱臭もどこまで効果があるのかは分かりません。害虫駆除に関しては、毎回自分でバルサンを購入して対応しています。

私の事例では、

  • 一度目は特殊清掃を行わずに、通常のリフォーム同様にクロスとクッションフロアの張り替えにより、原状回復を行いました。
  • 二度目は、いつも利用しているリフォーム業者からは事故物件の対応はできないとのことでしたので、体液や汚物除去の特殊清掃後にクッションフロアを交換しました(脱臭・消毒等の対応はなし)。

いずれにせよ、私の場合は本格的な特殊清掃を行なわず、最低限の対応で済ませ後に、通常の原状回復(クロス・クッションフロアの張替)を行うことで対応しました。

故障している家電などの交換

上で記載した通り特殊清掃やリオフォームに費用をかけていないのですが、意外と家電の交換や水道管の目詰まり解消に費用がかかりました。とりわけ、一度目の場合には、原因は不明ですが、ほぼ全ての家電類が故障していたため、改修に20万円程度もかかりました。

ですので、特殊清掃やリフォーム意外にもコストがかかる可能性に関して留意しておく必要があります。

再生後の入居者募集

事故物件はその後の売却額や賃料が大幅に安くなると言われていますが、私の事例ではそこまで安くならずに済みました。

第3号物件は、事故前の賃料である60,000円と同額で賃貸でき、第1号物件は事故前の59,000円から2,000円減額の57,000円で賃貸できました。

小幅な減額で対応できた理由としては、

・他殺や自殺ではなく、単なる病死であったため、事件性がなかったこと

・新宿区のマンションであり、賃貸需要が大きいエリアであった

ことが考えられます。




事故物件再生にかかった費用

一度目の再生事例(第3号物件)

特殊清掃は行わずに通常のリフォームの対応で済ませたのですが、水道管の詰まりや、家電等の室内設備の交換等の出費が想定外でした。結局は、合計で369,114円の金額がかかり、内訳は以下の通りです。

クロス、クッションフロア張替、ハウスクリーニング:161,400円
玄関の電気交換:34,374円
水道管の詰まり解消:16,200円
IHヒーター、エアコン、備え付け冷蔵庫の交換:157,140円

二度目の再生事例(第1号物件)

床に体液等が染み込んでいたため、特殊清掃をしないとリフォームできない状態であったため、最低限の特殊清掃を実施しました。加えて、リフォーム、エアコンを交換し、合計で258,269円でした。

・特殊清掃:50,000円
・クロス、クッションフロアの張替:83,130円
・ハウスクリーニング:40,500円
・エアコン交換:60,479円

レクタングル大

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