前の記事「CFA・レベル1の試験概要」に得点源にしたい4科目を書きましたが、それぞれ科目別の学習のポイントを紹介します。
1.Ethical and Professional Standards
この科目は配点比率が高い割に、常識的な感覚で解ける問題が多いです(倫理規範・職業行為基準なので、当然といえば当然)。
したがって、『試験直前期』に問題集Practice Examsを解くアウトプット中心の勉強法で問題ないと思います。
2.Financial Reporting and Analysis
当科目は配点も高いので、ぜひ得点源にしたいところです。
USGAAP(米国会計基準)とIFRS(国際財務報告基準)での会計ルールについて、各勘定科目やトピック毎に地道に覚えていくことが必要で、暗記が大部分を占めます。早めに着手してしまいましょう。
私は、USGAAPやSFACが何の略か分からないところからのスタートでしたので、この科目だけはインプットにも時間を割きました。具体的には、米国会計の入門としてUSCPA(米国公認会計士)の入門書を買ったほか、Schweserのスタディ・ノートも読み込みました。
貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書の英単語や構造を把握しておくとともに、主な論点として以下を押さえておきましょう。
- Revenue recognition(収益の認識方法)
- CFO(Cash flow from operations)の計算
- EPSやdiluted EPSの計算
- 在庫評価方法(FIFOとLIFO)の違い
- リース会計(operating leases とfinance leases)の違い
3.Fixed Income・Equity Investments
当科目はいずれも、知っていれば瞬殺の知識問題、理解を問われる問題、計算問題が出題される印象で、出題範囲は以下のような基本的な事項に限られます。
計算問題は債券価格やフォワードレートの計算といった基本的な内容を押さえておきましょう。関数電卓は使い方をマスターしておいてください。
- 債券の種類(固定利付債、変動利付債…)
- 債券価格と利回りの計算方法
- デュレーションやコンベクシティ
- 金利の期間構造
- フォワードレート/スポットレート
既に概ね理解されている方は、スタディ・ノートを読むと英語で理解、復習することができます。インプットの時に英語で学習しておくと、問題を解く時に英語の理解にリソースを割かず、効率的だと思います。
尚、初学者の方は、いきなり英語の教材に取り掛かるよりも、証券アナリストの参考書で基本を理解するほうが効率的かと思います。
4.Equity Investments
当科目の特徴は、前述の3.Fixed Incomeとほぼ同様です。DDMを用いた株式価格の計算や信用取引の追加証拠金(Margin call)の金額は計算出来るようにしておきましょう。
以下が主な論点となります。
- DDM(Dividend Discount Model)
- 効率的市場仮説
- 株価指数(index)の種類、計算方法
- 産業のライフサイクル