ここでは、金融機関での採用担当をしてきた経験も踏まえて、資格取得が就職活動に有利な理由を解説したいと思います。
多くの学生は印象にすら残らない
金融機関の新卒採用では、メガバンクでは数百人程度、その他の大手金融機関でも百人程度は採用します。
採用担当からすると1日で多くの学生の面談をすることになるため、殆どの学生は面接官の記憶にすら残らないのが実際のところなのです。
昼休みと面接終了後の夕方に学生の評価を纏める際に、名前を見ても学生の顔を思い出せないこともあります。
- 体育会でキャプテンをやってました、
- 学生NPOで海外で活動してました、
みたいな学生は面接官の記憶には残りますが、その様な人は数50人に1人もいません。
それ以外の普通にゼミやサークル活動をしていいた人は、よほどコミュニケーション力や論理性が高くない限り、面接官の印象に残ることは難しいのです。
普通の学生が面接官の印象に残るためには
大手金融機関を志望する普通の学生の多くは志望動機に、
- 規模が大きく安定しているとか、
- 社会のインフラとして人の役に立ちたい、
等の優等生的な理由を述べますが、これも全く印象に残りません。安定志向なのかこの傾向は年々強まっており、最近は10人面接すると8・9人はこの様な回答をするのが実情です。
では、ゼミやアルバイト、サークル活動を人並みにこなしていた普通の学生が、どうすれば面接官の印象にも残り、説得的な志望動機を展開できるかです。
答えは簡単で、社会人がチャレンジする資格を学生のうちからチャレンジすることです。それでは、次に資格取得が就職活動に有利になる理由について解説していきたいと思います。
資格取得が就職活動に有利な3つの理由
面接官の印象に残りやすくなる
社会人になれば分かるのですが(特に金融機関の場合)、入社してから取得が義務付けられている資格や、取得を奨励されている資格があります。
また、それら資格が昇進の条件だったりします。実際のところ、面接官自身も資格取得で苦労している場合も多く、その様な資格を保有(又は勉強中)の学生は、面接官からすると好印象であり、印象に残る可能性は高くなります。
また、エントリーシートに資格の事を記載していれば、面接官は確実に質問してきますので、面接での会話も弾むことも期待できます。
志望動機に説得力が増す
上で説明した通りですが、多くの学生はありきたりの志望動機しか述べることができません。そこで、取得した資格を武器に志望動機に箔をつけることで、ライバルとの差別化を図ることを目指しましょう。
例えば、
- 「●●の理由から、金融機関に就職したいと考えています」
とするだけではなく、
- 「●●の理由で、金融機関に就職したいと考えており、△△の資格取得を通じて、■■の勉強をしてきました」や、
- 「△△の資格取得を通じて、●●の仕事をやってみたいと感じており、●●業界を志望しています」
とした方が、志望動機に説得力が増すと思います。ですので、就職活動を少しでも有利に進めたいのであれば、志望する業界に関連する資格を、早めに勉強することをおススメします。
面接官も所詮はサラリーマン
面接官も所詮はサラリーマンですので、採用活動においても失敗するリスクを恐れます。
例えば、
- 将来大物になるかもしれない粗削りな学生か、
- 資格も取得してそつなく業務もこなしそうな学生がいた場合には、
金融機関の面接官は後者の学生を採用する傾向が強いのです。理由は、内定を出す学生を推す際に、資格を取得している学生であれば、上(人事部含む)への説明がし易いからです。
逆に、粗削りの学生に内定を出すには、それなりの説得が必要ですし、内定後にダメだった場合には、責任問題にも発展しかねないからです。
実際に仕事が明らかにできない若手社員がいた場合には、誰が採用したのか?、みたいな話は良く聞かれます。
つまり、面接官はその様なリスクを回避するためにも、資格という客観的に能力が評価された学生を採用する傾向にあるのです。