CFA(米国証券アナリスト)

CFA・資格概要と難易度・合格率

投稿日:2017-01-12 更新日:

CFAは難易度が高い資格か?

CFAとは「Chartered Financial Analyst(日本語訳:CFA協会認定証券アナリスト)」の略で、米国を中心とした資産運用の国際資格です。日本では、「証券アナリスト」という資格が代表的ですが、こちらはCMAと略されます。

CFAは難易度が高い資格か、ズバリ答えは『高い』です。

CFAの資格概要

まずは、CFAの資格概要を確認しましょう。

CFA資格を取得するためには、

  • Level1からLevel3までの3段階の試験を合格すること
  • 4年の実務経験

が必要です。

国際資格のため、試験は全て英語で行われます。
Level1からLevel3までの各試験は基本的に年1回6月開催(LevelⅠのみ12月にも開催)。日本では東京で受験できます。

受験料は特徴的で、早く申し込めば申し込むほど安くなるシステムです。受験の申し込みは、CFA instituteからCFAプログラムへのオンライン登録を行うと完了します。申し込んだタイミングにより最大で$730(約8万円)も安くなるため、CFAの受験を決めた方は早々に申し込みましょう。

2017年6月の場合

登録料

受験料

合計金額

最も早く登録した場合

〜2016/9/21

$450

$650

$1,100

通常料金

〜2017/2/15

$930

$1,380

最も遅く登録した場合

〜2017/3/15

$1,380

$1,830

 

過去3年の合格率は、CFA協会によるとどのLevelでも4割程度となっていて、あまり難しくないように思えます。

参考までに、他の金融系の資格ですと税理士は20.9%、公認会計士は7.5%の合格率です。しかし、CFA資格取得までには特有の難しさがあり、『難易度高』としました。

2016年12月 Level 1: 43%
2016年6月 Level 1: 43%、Level 2: 46%、Level 3: 54%
2015年12月 Level 1: 43%
2015年6月 Level 1: 42%、Level 2: 46%、Level 3: 53%
2014年12月 Level 1: 44%
2015年6月 Level 1: 42%、Level 2: 46%、Level 3: 54%




CFAが難しい3つの理由

①試験はオール英語

まず英語の試験であることが、日本人にとって大きなハードルとなります。
Level1及び2は択一問題、Level3は半分が記述問題となり、全て英語で行われます。英語の読み書きが求められることはもちろん、試験教材もほぼ英語のものが多いため、英語「で」勉強することに慣れる必要があります。

私自身、苦労したのは、分からないところを調べるのに時間が掛かることでした。例えば、テキストや問題に分からないところがあれば、

  • 英単語の意味
  • ファイナンス用語の意味

の両方を調べて理解する必要があります。試験教材は英語のものが多く、インターネットで調べても英語のページしかヒットしないということもよくあります。

また、せっかく調べた単語を忘れてしまったときは、もう一度この工程を繰り返さなくてはなりません。

よって、英語の読解に慣れていない頃は、「勉強時間をかけても、あまり先に進まない…」といった苦しい時期がありました。

②合格に向けたノウハウが少ない

金融機関以外でのCFAの認知度は圧倒的に低く、資格取得者も1,000人程度と少ないです。その為、日本の他の資格に比べて合格ノウハウが格段に少ないことも難しさの理由です。

2016年時点で、CFA講座を開設する予備校はTAC1校のみ、日本語の参考書も数冊程度。この資格の情報はとにかく少なく、試験傾向や勉強法など自分で試行錯誤していく必要があります。

③資格取得までに時間がかかる

前述の通り、資格取得までには、Level1から3までの3段階の試験の合格が必要になります。基本的に年1回の受験となるため、12月のLevel1で合格し、Level2、3を1回で合格する最短ルートで約2年半。試験に受かるだけで平均で3〜5年の期間が必要です。

また、CFA協会では各Level300時間の準備を推奨しています。英語を問題なく使いこなせる人向けの準備時間なので、多くの受験者にとってはより多くの準備時間を見込む必要があります。

それでもCFAは挑戦する価値がある

それでも私は、出世やキャリアアップのためにCFAに挑戦する価値はあると思います。

CFAは、高い金融専門知識を持ち、かつ英語が出来るということを客観的に示すことができるほか、数年間計画的に努力出来るという目標志向をアピールすることが出来る資格です。

効率良く出世やキャリアアップするには、同僚と比べて頭一つ抜け出すことが重要です。特に金融機関において、CFAはそのための武器として最適だと思います。

ぜひ、チャレンジしてみてください。

合格に向けて効率的に勉強するためには?

合格するための具体的な勉強法は、CFA(米国証券アナリスト)で書いています。

また、私自身あれば便利だと思ったCFAによく出る英単語を日本語で解説する用語集を作りました。これで調べものの時間が削減され、勉強を効率的に進められるはずです。

レクタングル大

レクタングル大

-CFA(米国証券アナリスト)

執筆者:

関連記事

no image

CFA・レベル1の試験概要

ここでは、LevelⅠの試験概要と学習のポイントを説明します。 LevelⅠの試験概要 英語が苦手でも戦えるが、スピード勝負 試験は午前と午後に3時間ずつ行われ、3つの選択肢から正解を選ぶマークシート …

no image

CFA・関数電卓の使い方

関数電卓(Texas Instruments BA II Plus)の使い方 CFAには関数電卓の使用が必須で、規定により認められているのは2種類の電卓です。 Texas Instruments BA …

no image

CFA・レベル1の科目別学習のポイント

前の記事「CFA・レベル1の試験概要」に得点源にしたい4科目を書きましたが、それぞれ科目別の学習のポイントを紹介します。 1.Ethical and Professional Standards この …

no image

CFA・レベル1の勉強法と教材

Level1の勉強法〜独学か予備校か CFALevel1の合格に向けて、『独学で学習を進めるべきか、予備校に通うべきか』悩まれる方も多いのではないでしょうか。日本ではTACが講座を開設しています。 そ …