ここでは、2次試験の全事例共通の対策を記載します。参考になる対策があれば、受験対策に取り入れてください。
80分間の使い方
2次試験を難しくしている要素の一つに、80分間という時間的な制約があるということです。仮に、2時間で解答することができれば、2次試験の難易度はグッと下がると思います。
ですので、80分間で如何にして解答を作成するかがポイントになります。
■80分間での解答プロセスの確立
まず、80分間で解答するには、自分なりの80分間の使い方(解答プロセス)を早期に確立しましょう。
その後、その解法プロセスで繰り返し事例問題を解くことで、プロセスを定着させ、解答の安定性を高めていきます。
参考までに、私の解法プロセス(事例Ⅰ~Ⅲ)は以下の通りです。
- 試験開始1分前:目薬をさす。
- 試験開始~5分:設問に目を通し、設問内容と解答要素を考える。具体的には、解答要素を設問の余白に記載する(これが、下書きの構成になる)
- 5分~20分:与件文を読み、設問内容と与件文の記述を紐づける。具体的には、設問毎に異なる色の蛍光ペンを用いて、設問に関する記述を与件文にハイライトする。
- 20~45分:設問の余白にて、下書きを記載する。
- 45~75分:下書きをベースに解答用紙のマス目に解答を記述する。1問あたり5分のペースで埋めていく。
- 75分~試験終了:解答用紙を読み返して、読みずらい字や表現を修正する。
ここで重要なのは、私が行っていた解法のプロセスではなく、自分なりの解法プロセスを確立し、そのプロセスを定着させることです。
解法プロセスの中でも重要なプロセスだけは以下に簡単に説明しておきます。
■設問内容と解答要素の確認
「2次試験対策:大原則の各論」でも説明しましたが、設問で問われている要素を外さない様に注意するため、設問内容と解答要素の確認に最初に時間をかけるようにしました。
1度目の2次試験の際には、焦りもあったのだと思いますが、設問文をよくよまず、設問で問われている内容と異なる要素を解答してしまった経験があるから、注意するようになりました。
■設問内容と与件文の紐づけ
設問内容と与件文の表現を「蛍光ペン」で紐づけると、設問の解答を考える際に、与件文中のヒントを探しやすくなります。
問題点や課題に関するネガティブな設問は寒色系(青・緑)を用い、改善等のポジティブな設問は明るめの色(黄色・オレンジ色)を用い、今後の事業展開等の将来に関する設問はピンク色という様に使い分けていました。
事例Ⅳの場合は、ポジティブ要素とネガティブ要素の2色しか用いませんでした。5色セットの「蛍光ペン」が便利です。
1日のタイムマネジメント
2次試験当日は丸一日の長丁場になりますので、各事例をどの様なコンディションで臨むことになるかを予め想定しながら、各事例の対策を行うことも重要になります。
例えば、事例Ⅰは緊張した状態、事例Ⅱは緊張がほぐれた状態、事例Ⅲは昼食後の眠い状態、事例Ⅳは疲労困憊な状態で臨むことになります。
この状態に慣れるため、休日には本試験と同じ時間帯で4事例を解いていました。特に、事例Ⅳは疲れた状態で計算問題を解かないといけないため、平日の寝る直前の疲れた状態で1日一問は解くようにしていました。
地方受験の方が合格し易い?
大手受験校で、地方の受験生の答案が東京の受験生の答案より劣っていても、地方の受験生が合格して東京の受験生が不合格となるケースがあり、地方で受験した方が合格し易いとの都市伝説的な話しが言われています。
中小企業診断士は各地域に一定数必要なのですが、東京の受験生のレベルが高すぎるため、地方受験の低い合格率を差し引いても、地方受験の方が合格し易いとのことです。
実際に、普通に受験すれば東京受験なのに、大阪や仙台で受験して合格した友人がいますので、あながち嘘ではないのかもしれません。