ここでは、2次試験対策に関して、私が受験生時代に信じていた2次試験対策の原則と、受験校講師になってから気づいた2次試験突破に向けた大原則を解説します。
ただし、大原則と言っても、あくまでも受験校講師としての私見に過ぎない点をご留意ください。
■受験生時代に信じていた原則
大手の受験校やインターネット等では、2次試験の対策として、
- 多面的な視点から、
- 多くのキーワードを盛り込んで、
解答すること、が2次試験の解答の原則として紹介されることが多々ありました。
実際に私も受験生時代には以下の様に、より多くキーワードを盛り込むことを意識した答案を記載していました。
- 「A社の問題点は、①×××、②×××、③×××、④×××であり、①×××、②×××、③×××、④×××の対策を講じるべき。」
多面的な視点から多くのキーワードを活用することは、テクニック的には正しい側面はあると思いますが、それが全てではないことに気づいていませんでした。
合格後に受験校の講師として事例問題の採点を行って初めて気づいたのですが、この様な答案は「ごちゃごちゃ書きすぎて、分かりにくい」ということでした。
小手先のテクニックを意識するが余り、2次試験突破の大原則を見失っていたのです。
■受験校講師となって気づいた大原則
それでは、2次試験突破の大原則は何かと言うと、当たり前なのですが「出題者(=採点者)の立場に立った解答を書く」ことです。
ここで、「出題者の立場に立つ」というのはどういう事なのか考えていきましょう。
まず、出題者はどの様にして問題を作成を作るかと言うと、大きくは以下のステップで問題を作成すると考えられます(私が事例問題を作成するプロセスであり、本試験の作成プロセスは分かりません)。
- まずは、事例企業の概要と受験生に答えさせたい論点を決める
- その後、答えさせたい論点を問う具体的な設問内容を決める
- 最後に、設問内容のヒントを散りばめる形で事例文を作る
つまり、出題者は受験生に答えさせたい論点を決めた上で事例文を後付けで作成しているのであり、事例文をヒントに自由な発想を基にした画期的なソリューションを求めている訳ではないのです。
ですので、設問文の流れ(序盤の設問で環境分析・問題指摘をし、後半の問題で課題解決)や事例文の構造や表現から、出題者の意図(=出題者が答えさせたい論点)を可能な限り汲み取った上で、各設問に取り組むことが大原則になります。
その大原則を踏まえた上で、複数のキーワードをテクニック的に活用することは否定するものではありませんが、その順序が違うということです。
それでは、「出題者(=採点者)の立場に立った解答を書く」という大原則を踏まえた上で、留意すべき点を各論として、「2次試験対策:大原則の各論」に記載していきたいと思います。