2次試験を見据えた戦略的対策
診断士試験は2次試験の合格が最終目標であり、2次試験の合格を見据えた1次試験対策が合格への近道になります。
具体的には、2次試験の事例科目に直結する
- 「企業経営理論」
- 「財務・会計」
- 「運営管理」
の強化が重要になります。それ以外の、
- 「経済学・経済政策」
- 「経営法務」
- 「経営情報システム」
- 「中小企業経営・中小企業政策」
に関しては、60点を目標に最低限の学習に留めてください。繰り返しになりますが、最終目標は1次試験の突破ではなく、2次試験の突破ですので。
次に、さらに戦略的な学習方法を考えていきます。2次試験科目である「企業経営理論」、「財務・会計」、「運営管理」の学習が重要になるとお伝えしましたが、その中でも最重要科目は何かということです。
答えは、圧倒的に「財務・会計」が重要です。理由は1次試験の知識・計算力が2次試験に直結するからです。
「財務・会計」が苦手の受験生は多いですが、「財務・会計」が苦手では、1次試験は問題なくても、2次試験を突破することはできません。
ですので、苦手意識を払拭するためにも、1次試験対策において徹底的に「財務・会計」を鍛えてください。
一方で、「企業経営理論」や「運営管理」に関しては、2次試験でも出題されますが、深い知識ではなく、与件文を踏まえた分析力・思考力・論述力が問われます。
ですので、1次試験の学習が「財務・会計」ほど効果的ではありません。
「財務・会計を制するものは、診断士試験を制する!」と言っても過言ではありません。
全科目・一発合格のすすめ
1次試験は科目合格制度があるため、(多くの受験予備校でも謳っているように、)複数年に分けて着実に科目合格を積み重ねることが、1次試験突破の近道か思われるかもしれません。
ただし、私は科目合格を最初から目指すべきではないと考えており、少し無理をしてでも全科目一発合格を目指すことをおススメします。
理由は、全科目受験の場合には、不得意科目があっても得意科目の貯金でカバー可能となるからです。
逆に、科目合格で不得意科目だけの受験になった場合には、不得意科目で確実に60点を超えなければいけなくなり、逆に難易度が上がってしまうと考えています。
平成28年度の1次試験の様に、現役のシステムエンジニアでも60点をとれない「経営情報システム」や、司法書士でも60点をとれない「経営法務」だけを残して、60点を確保するのは容易ではありません。
1次試験は7科目と範囲が膨大で困難な試験ですが、7科目あるからこそ、不得意科目と得意科目でバランス良く得点することで、合格が可能となる試験だと思います、
では、全科目・一発合格に必要な要素は何かというと、
・得点源科目を作ること
・アウトプット重視の効率的な学習をすること、
の2点に尽きると考えています。これらの具体的な方法に関しては、「1次試験対策:詳細編」を参照ください。