管理人の中小企業診断士の受験経験(2回目の受験で合格)を踏まえた、中小企業診断士試験の実態を綴りますので、資格取得を検討している方は参考にしてください。
中小企業診断士とは
経営コンサルティングに関する唯一の国家資格です。弁護士や税理士の様に独占業務はありませんが、試験資格後にコンサルタントとして独立する方も多い資格です。
企業経営に関する試験のため、社会人経験がないと合格が難しいこともあり、受験者の大半はサラリーマンになります。
そして、大企業に勤めるサラリーマンの多くは自己研鑽やスキルアップ目的のため、独立する人は稀です(大企業を辞めてまで独立するリスクを取らない)。
一方で、中小企業に勤めるサラリーマンは経営コンサルタントとして独立する傾向が強くなります。
試験概要
中小企業診断士試験に合格するには、
- 1次試験(択一の筆記試験)
- 2次試験(論述形式の筆記試験、口述試験)
を突破する必要があります。
さらに、中小企業診断士として登録するには、2次試験合格後に15日間の実務補習を受講する必要があります。
1次試験は、
- 経済学・経済政策
- 財務・会計
- 企業経営理論
- 運営管理
- 経営法務
- 経営情報システム
- 中小企業経営・中小企業政策
の合計7科目を択一の筆記試験で行います。
2次試験は、筆記試験と口述試験で、中小企業診断士に必要な応用能力を判定します。筆記試験は、
- 組織・人事の事例(事例Ⅰ)
- マーケティング・流通の事例(事例Ⅱ)
- 生産・技術の事例(事例Ⅲ)
- 財務・会計の事例(事例Ⅳ)
の4種類の実務事例を論述形式で行います。
そして、筆記試験合格者を対象に口述試験が実施されます。
筆記試験の合格率は20%の一方で、口述試験の合格率は99%以上ですので、2次試験は筆記試験が最大の山場になります。
試験の難易度
中小企業診断士の合格率は、1次試験は・2次試験共に20%前後で、トータルでの合格率は4%と、難易度の高い試験であります。
同じ20%の合格率でも、1次試験は学習時間に比例して合格の可能性が高まるため、対策は比較的容易です。
一方で、問題分析力や助言能力を論述形式で試す2次試験は模範解答が公表されないという、何が正解か分からない不確実性もあり、対策が難しくなります。
つまり、合格できるか否かは2次試験にかかっており、実際に2次試験を突破できず、受験回数が5回以上のベテラン受験生も多数存在しています。
よく、資格学校のパンフレット等では
- 「資格取得までの勉強時間は1,000~1,300時間」
- 「勉強期間は1~2年」
とか謳われていますが、これは上手く合格できた場合のケースになります。
受験を検討されている方、とりわけ家族がいる方は、家族との時間をかなり犠牲にすることになりますので、その点も考慮した上で、受験の決断をしてください。